犬と暮らそう! 初心者編

STEP10 子犬と暮らそう!U マナーは大切。
こちらは犬と暮らし始めた方の為の講座です。

犬と共に社会生活を円滑に営むためにはマナーがとても大切です。
我が子を社会的にも受け入れてもらえるように保護者はきちんと、マナーを守らなければなりません。躾をするのにも、この社会でのマナーを心得ておくとポイントも掴みやすいですから、犬よりもまず、私達人間の心構えを勉強しましょう。


まず、私達犬と暮らす人間が絶対に忘れてはいけない事が1つだけあります。
それは「全ての人間が犬好きではない」と言うことです。
好き嫌いという概念は理屈ではなかなか割り切れないものです。
私達家族にしてみればもう食べたくなるほど可愛い我が子であっても、他人から見れば時に不快感をもたらす事もあるわけです。
純粋に嫌いな人もいれば、不潔、汚い、と嫌悪する人もいるでしょう。また噛まれたと言う過去の経験から犬に対して恐怖を持っている人もいれば、嫌いじゃないけどアレルギーが・・と言う人もいます。
実際に他所の犬のマーキングなどで迷惑をかけられた結果犬を嫌いになる人もいるわけですから、犬と一緒に暮らし、行動する時には出きるだけ迷惑をかけないようにしなければいけません。
そういう意味では動物の飼育が許可されていない集合住宅で犬と暮らしたり、ペット同伴不可の公共施設に犬を連れこむのはマナー違反です。
また仮令、ペットが許可されていたとしても、そこの住人全てが犬好きとは限りませんので気をつけなくてはいけませんよ。

@お家での注意。

意外と見過ごされがちなのがお家でのマナーです。
戸建てにしろ、集合住宅にしろ、確かに室内はママやパパが気兼ねなく犬と暮らせる唯一の場所ではあるでしょう。しかし、山中の一件屋や大牧場でない限り、近隣の住民の存在を忘れてはいけません。

ここで問題になりやすいのは、「臭い・鳴き声・抜け毛」の三点です。
完全室内生活だとそれ程問題にはなりませんが、日中ガレージや庭先に犬を出しているお家は気をつけてください。

T「臭い」

臭いは一緒に暮らしている人間は馴れてしまって気にならないかもしれませんが、そうでない人にとっては時に敏感になるものです。そこが自分の所有地だろうが、排泄物はこまめに取り除き、清潔を心がけてください。外に出す事の多い子はシャンプーも出きるだけマメにしてあげましょう。
またトイレは外に住んでいる子以外の場合は絶対に室外に設置してはいけません。時折ベランダにトイレを置いている方もいますが、近隣の方の迷惑になりますので室内での排泄を習慣付けてください。臭いは風にのってあちらこちらへ漂うものです。近隣の方に迷惑をかけないように対策を取るのは犬の住みやすい社会への第一歩ですよ。

U「抜け毛」

抜け毛もかなり不快なものです。人間の髪だって食卓に落ちていれば不潔感拭えないくらいなのですから、犬の毛はもっと嫌がられます。
公園でのブラッシングは当然のことですが、ベランダや玄関先などもいけません。抜け毛は何処に飛んでいくかわからないものです。特に集合住宅ではブラッシングによって抜けた毛がふわふわと飛んで、隣接しているベランダの洗濯物についたりして迷惑をかける事もあります。
遊んでいて着く場合はともかく、こまめにブラッシングをするのは当然ですが、そのブラッシングも必ず室内で行うようにしてください。
特に、春や秋は換毛期にあたり、ダブルコートの子は抜ける量も半端でなく多くなりますのでせっせとブラッシングしましょう。

V「鳴き声」

鳴き声は来客時などの一過性のものならそれ程迷惑にはなりませんが、四六時中吠えてばかりいると当然近所迷惑になります。
室内生活では余程防音に配慮していない構造の場合を除き、問題になる事は少ないですが、深夜や明け方などは音も響きやすいですので、この時間帯に吠えているのを放置しておくことは、ご家族は当たり前ですが近隣の住民にとっても迷惑です。

また、吠えやすい子を往来に面した場所に繋留しておく事は、たとえ敷地内だろうが避けてください。
ガレージや庭先でも、突然吠えられれば犬が怖い人にとっては非常に不快ですし、おどろいた拍子に転んで怪我をするケースもあります。また、郵便配達員や宅配業者が近寄れないようでは困ります。
吠える行為は大抵ただわんわんと鳴くだけでなく、飛び掛るという行為も付随しています。
ですから、通行人にしてみれば、いくら繋がれているのを予測できたとしても、ふいに犬が吠えながら飛び掛ってくるというのは驚きますし怖い思いをします。
ホラー映画ではないのですから、吠えられるそのスリルが堪らない!と言う人は稀です。多くの人は吠えらて怖い思いをすれば、犬を嫌いになっていくでしょう。
我が家のお散歩コースにも幾つか柵のないガレージに繋がれて、誰かが通るたびに物陰から飛び出して吠え掛かり、驚かせる犬のいるお家がありますが、通行人に吠えれば、当然犬にも吠えるので、お散歩する側からしても迷惑です。
驚いた拍子に車道に除けてしまう人もいますので、くれぐれも気をつけてくださいね。これは大型犬だけでなく、中型犬だろうがダックスだろうが、同じですよ。

一方で、大切な家族を守る意味でも、往来のすぐ際に犬を繋いでおくのはよくありません。通りすがりの人が食べ物をあげる事もありますし、悪戯される事もあります。見える位置に犬がいると言うことは、他の犬からするとマーキングをしたくなる、と言うことでもあります。
庭に犬を放したい場合は、少なくともその犬の姿が外から見えないように、塀で囲んだり、通りと犬の場所にある程度の隙間を持たせるなど工夫が必要です。

おまけ*近所付き合い
近所付き合いの中で犬が嫌悪されるケースは、犬自体に問題がある場合よりも、実は住んでいる人の付き合いの悪さが反映される事が多いです。
まず、御近所と上手にお付き合いできている御家庭は、子犬が落ち着いた頃を見計らって挨拶をしておきましょう。その際に、何か問題があったら遠慮なく言ってもらえるようにお願いしておく事ですね。
うるさくないかしら?と尋ねると、大抵の人は多少うるさくても、別に・・と答えるものですが、時刻表などを渡して、「躾の参考にするので、鳴き声が聞こえたら時間帯に印をつけて欲しい・・」などと頼むと案外みっちりとチェックが入っていたりするものです。
それほど親しくないお家でも、外出時に顔をあわせたら、「うるさくないですか?」「何かご迷惑かけていませんか?」と一声かけておくだけでも大分印象はよくなります。躾の途中などで、これは絶対に近所に迷惑かけているな、と感じたら、更に「まだ来たばかりで躾の途中なんです。もう少ししたら落ち着くと思いますので・・」と付け足しておくと、まぁ、一過性のものなら・・と大抵は寛大になってくれるものです。
とにかく、人間同士の付き合い方によって犬の好き嫌いが左右されたりするわけですから、ママもパパも丁寧に挨拶をして印象を良くしましょう。
マンションなどで管理人がいる場合には、管理人さんにも挨拶をして家族が増えた事を伝えましょう。
近所付き合いが最悪の場合や、近隣に問題のある家がある時には、もう絶対にボロを出さないよう気をつけるしかありません。がんばりましょう。


A公共の場所でのマナー
公共の場所で問題になりやすいのは、「排泄物・マーキング・ノーリード・禁止地区への侵入・勝手にドックラン・躾不足・唖然とする行為」などですね。

最初に増えてきている集合住宅でのマナーから入ります。

集合住宅


マンションなど集合住宅では玄関から出たらそこはもう公共の場と考えてください。
マーキング癖のある子や小型犬の場合は必ず抱っこ、(出来ない場合はマーキングガードをして下さいね)エレベーダーを使う際には、人が多い場合は一台見送るか、「犬が乗っても大丈夫ですか?」と声をかけるようにしてください。ペット共生住宅でない限り、「犬が苦手な人に合わせる」のが基本ですよ。

T排泄物
苦情の不動1位がこの排泄物です。
外で排泄をするのは別に悪いことではありません。問題なのは、それを放置してしまう悪質な人間ですね。
道端に落ちているうんちを見て、すがすがしい気分になる人はいません。不快感を抱く人の方が圧倒的に多いです。そして何より不衛生です。
時折、うんちに砂をかけて処理している人もいますが、これもいけませんよ。埋めたり隠したりすれば良いというものでもないです。うんちはきちんと拾い上げて持ち帰り、自宅で処理します。おしっこはお水で流します。

Uマーキング
民家や建物の外壁などへのマーキングはマナー違反です。絶対に止めさせてください。もし、してしまった場合は水で流します。その為、ペットボトルに水を入れて持ち歩くようにしましょう。
マーキングは自己主張の行為です。その為、1つの場所に誰かがマーキングすると、臭いにつられて、今度は別の子が僕が上だよ、とその上にマーキングをします。そしてそれがぐるぐると続いて、電信柱などにマーキングスポットで出来てしまうわけですね。
普通に出るおしっことマーキングの際のおしっこは臭いが違います。マーキングの臭いはきついです。
マーキングは1度覚えるとひたすらあっちへこっちへとマーキングスポットめぐりをするようになってしまいますので、パパもママも毅然とした態度でお散歩中はまっすぐに歩くように頑張らなくてはなりません。
他所のお家の花壇や玄関先にマーキングをするのは失礼ですよ。
また庭先などに犬がいる場合、やはりマーキングの的になりやすいです。
お散歩コースの中に、見える位置で繋がれている犬がいる場所がある時には、道の真ん中や反対側を歩くなどして、マーキングしないように注意しましょう。

Vノーリード
そもそも、犬は繋留が義務付けられており、私有地や個人宅、許可されている場所以外でのノーリードは義務違反です。マナー以前の問題ですね。
お出かけの際には玄関を開ける前にリードを着け、帰ったときは玄関を閉めてからリードを外すのが常識であると思ってください。
うちの子は大丈夫、と平気でノーリードで散歩させている人も多いですが、犬嫌いにとっては、ゴキブリが視界の中でふらふらしているに等しいですし、去勢していない男の子の場合、ヒート(生理)中の女の子の背中に乗ったりして慌てる事もあります。「この子はマナーが出来てるから大丈夫なのよ」とノーリードで自慢する人はそもそも人間側のマナーが出来ていません。また、不意の大きな物音(事故や花火)などで犬がパニックになった場合には何処かへ逃走したり、事故に遭う危険性も大きいですからノーリードは絶対に止めてください。
リードは犬を縛るものではなく、犬の命を守るものです。忘れてはいけませんよ。

W禁止エリアへの侵入

都内では殆どの公園が犬の立ち入り禁止になっています。あまりのマナーの悪さ故に引き起こされた事態でもあります。どんなに人がいなくても禁止されている場所へ犬を連れて行ってはいけません。
公園では犬を禁止していないか確かめてから、尚且つ遊んでいる子供が少ない事か確認してから入るようにします。
デパートやスーパーなどもペットの同伴が許可されていない場所へはたとえ抱いていようが、キャリーに入れていようが連れ込みはいけません。デパートではペットショップやトリミングショップなどが入っている場合、キャリーに入れての同伴が許可されている場合がありますので、そういう場合はまず電話などで問い合わせてみましょうね。ただし、飲食店街や食料品売り場へは衛生面も考慮して控えてください。

X勝手にドックラン

河川敷や犬連れが許可されている大きな公園の一部では、いつの間にか沢山の犬が集まってドックラン状態になる事があります。
お友達が集まって思い切り走り回らせてあげたい、という親心は分かりますが、ノーリードはマナー違反です。
また防護柵や犬種の規定がない場所で犬を自由にすると言うことは、何かあった時に行方不明になってしまう事もありますし、大型犬同士が喧嘩をはじめたり、大型犬が小型犬を噛んで殺傷事件が勃発する事もありますのでとても危険です。
またある種の犬ばかりが場所を占領して、他の犬が入れなくなるケースもあります。折角犬と一緒に歩ける数少ない場所なのですから、誰もが気持ちよく使用出来るように気を配りましょうね。

Y躾不足

他の人への飛びつきや、通行人への威嚇など気をつけるようにしましょう。
犬を散歩させていると、「可愛い!」と声をかけられたり、子供が近づいてくるケースもありますが、もしも、あなたの犬が人嫌いだったり、子供嫌いだったりしたら、無理に止まって構わせたりせず、笑って挨拶するだけで歩き続けましょう。子供が追いかけてきたり、触ろうとする場合(この場合は子供のほうのマナー違反ですが、そんな事は人間社会では通用しませんから)「ごめんね、今お散歩の訓練中だから遊べないのよ」と牽制してちゃっちゃと離れてしまいましょう。人間に好き嫌いがあれば、犬にだってあるわけですから、無理に愛想よくさせる必要はありません。
中型犬以上は人好きな子ですと大喜びで抱きついたりする事がありますが、余程馴れている相手でない限りは飛びつかせたりしないようにしましょう。勢いで転ばれたり、怪我をされたりして嫌な思いをするのは避けたいですからね。
もちろん、他の犬や人間に危害を与えるのは言うまでもなくいけないことですよ。
その為にもきちんと躾をしておきましょう。

Z唖然とする行為

お出かけの最中にお食事にいきたいから・・と犬をコインロッカーに入れるのはマナー違反であり、虐待になります。(実際に、そうして映画を見に行ったという人もいますよ)
肥料になるから、と人の畑で排泄をさせている行為もだめです。自分の畑を借りてください。
ドックショップやドックカフェに犬を置いたまま別のお店に買物に行くのもダメです。いくら常連になった、と言っても、そこが犬の一時預かりなどをしていない限り、犬を置いて出て行くのは止めてくださいね。
抱っこして電車やバスに乗るのもだめです。公共機関の交通手段を利用する場合には、全身がすっぽり入るキャリーやケンネルキャブなどに犬は入れてくださいね。
頭の出るタイプのものは電車やバスに向きません。
お散歩時間になると、家から出して見送る・・・というのもダメダメです。どんなに犬がおりこうさんで、町内を一周して家に帰ってくる子であっても、ノーリードでしかも保護者なしでのお散歩は事故の元ですよ。
ペット不可のホテルやペンションに犬を連れて行くのもマナー違反ですが、意外に多いです。
おとなしい小型犬なら確かに荷物に紛れて入り込めるでしょうが、これはやめましょう。

[出来ればやめてね・・な行為

お買物の最中に犬を繋いで外で待たせるのは出来るだけ避けてください。また、する場合には場所や時間帯も選びましょう。
おりこうさんに待つ犬は見ていて微笑ましくもありますが、嫌いな人にとっては、そこに犬がいるだけで通行の妨げになる場合もあります。また、犬がいくらお利口さんでも、お利口さんじゃない人間もとても多いので、悪戯をされたり、お菓子を上げられてしまったりというアクシデントも起きやすいですね。以前、近くのスーパーの前で親を待っている良い子のキャバリアに母娘が近づいて板チョコをあげようとしているのを見ましたよ。(一応、止めましたが・・・)悪意がなくても、時に大切な犬に危害が加えられる可能性がある事を常に考慮しておく必要はありますね。
また、同じく買物待ちの犬ですが・・・自転車のカゴに乗せたまま放置は危険です。飛び降りの可能性もありますし、自転車が倒れることもあるのですから、やめましょうね。

マナーも躾も基本は同じです。人に不快感を与えず、かつ、犬の安全を考えることです。
折角、犬と住めるマンションでも、住んでいる犬によって廊下やエレベーターが汚されたり、異臭が漂ったり、洗濯物に毛がついて困る・・などの苦情が出たら、犬禁止にされてしまうかもしれません。
公園だってそうです。ただでさえ数少ない犬と行ける場所なのですから、マナーを守って、楽しむべです。


次回は・・・お散歩か躾かな?