犬と暮らそう! 超初心者編
STEP3 迷える犬さがし
こちらはこれから犬と暮らそうと考えている方の為の講座です。
おおまかにでも、この犬、こんな犬、と決めてお勉強がすんだら、次はその犬を何処から迎え入れるか、考えてみましょう。
まず、犬の入手方法は大きく分けて5通りあります。
1ペットショップ
2ブリーダー
3個人の里親募集
4保健所もしくは捨て犬等を保護しているボランティア団体
5インターネット(ブリーダーを除く)
各項目は別ページに詳しく述べますので、特別授業の項目を受講してください。
ここでは、まず外さないポイントを述べますので、それに当てはめれば、大抵は絞り込まれていく筈です。
心得の基本としては、純血種の子犬を入手するのならば、決して事前知識の取り込みを怠ってはいけないと言うことです。
日本では現在、数十万を越える犬や猫が殺処分(決して安楽死ではありませんよ。多くはガスによる窒息死です)となっていますが、対象の犬は何も野良の雑種ばかりとは限りません。繁殖に使われたり、売物にならない純血種も多いです。また最近では、ダックスやチワワ、プードルなども捨てられたり、保健所に持ち込まれたりしています。
こういう背景には、安易に人気のある犬を繁殖して、売りさばく心無い繁殖家やブリーダーと共に、安易に犬を入手する飼い主の存在があります。
ブームに乗って人気の子犬を迎えたはいいけれど、知識がない為に、躾けられなかったり、子犬しか見ていなかった為に、成犬になると共に、こんなに大きくなるとは思わなかったと、後悔して、結局育てきれなくなるわけですね。
例え、CMで小さく見えて賢そうでも、大型犬なら大きくなりますし、賢い犬になるにはそれなりに躾や訓練が必要です。雑誌では泣き声は聞こえなくとも、大抵の犬ならば吠えるのです。
ですから、小さいし、大人しそうだし、と言う理由で、チワワやダックスをペット不可のアパートやマンションに迎え入れるのはよくありません。
また安直な購入は安直な乱繁殖に結びつきます。
売れると言うことは市場的に言い表せば、需要があるということです。需要があれば、当然供給も高まります。しかし、工場で流れ作業的に製作される品物と違い、犬は生ませなければ、売り出せません。
とにかく多くの売れる「ブランド」を繁殖させようとすれば、当然どこかで無理が生じます。
幾ら子沢山の犬だから、と毎回毎回出産を繰り返せば、母体は消耗し、胎児の健常な育成は望めないでしょうし、遺伝を無視した雌雄の繁殖は、その種固有の特性を損なっていくでしょう。
簡単な例を挙げれば、歯並びの悪い犬と歯並びの悪い犬を掛け合わせれば、当然歯並びの悪い犬が生まれる確率は高くなりますよね。でも、歯並びの良い犬は手に入れるには高い。子犬をとれば元は取れるだろうが、安い犬なら原価も抑えられるしその分儲けられる・・・どうせ買われる時期はまだ乳歯の段階だし、買い手は素人だから気にしないだろう。3日も飼えば、可愛くなって手放せないに決まっている。
・・・という思考回路ですね。こうした利益追求型の繁殖家は歯並びの部分が内臓疾患や多少の骨格異常でもお構いなしに生めよ増やせよ売れてくれよ、と繁殖に精を出すわけです。
こうした悪循環の結果、巷にはちょっと古い言葉ですが、いわゆる「なんちゃってダックス」やら「なんちゃってチワワ」やらが溢れかえっているわけです。これは見た目の問題だけではなく、、突然死や遺伝性の目の疾患、心臓奇形などにも及んでいます。
全ては、無知で無謀な繁殖者のなせる業です。
この悪しき連鎖を断ち切る方法はただ1つ。購入者側がきちんとした知識を身につけ、購入先を選ぶ事です。なんちゃってダックス問題に行政は目を向けてはくれません。そして、業界側の改善を促すには、購入者が動くのが一番なのです。
自分の店が売れなくなれば、売れる店を必然的に見倣うでしょう。
きちんとブリーディングされた子犬しか売れない、と分かれば、繁殖者も勉強します。
あなたが今、お金を出して購入しようと思っている物は、生命ある家族なのだ、と言う事を忘れないで下さいね。決して安易な気持ちで安易にやりとりしてはいけませんよ。
それでは、前置きが長くなりましたが、チェック項目へ行きましょう。ちなみに、この項目は、あくまで純血種の子犬を金銭を支払い購入する場合のものです。保健所やシェルターからの引き取りや、無料での里親募集は含まれません。また前頁の通り、きちんと勉強している事が大前提です。
1.血統書の確認。子犬の物がない場合は両親の物をきちんと確認する事。
2母犬に会える事。父犬がいない場合は写真で確認しましょう。
3兄弟を見られる事。(1人っ子の場合や既に里子に出ている場合は除きます)
4犬舎を直接訪問できる事。
5金銭面や保証、また子犬に関しての質問などにきちんと答えられる事。
6異毛種間交配を行っていないこと。(例えば、母犬がロングヘアードダックスであるのに、父犬がスムースダックスなどを平気で行っている所は失格です)
7稀少カラーや小型化に力を入れている所は避けた方が無難。
8最低でも生後二ヶ月までは母犬から離されていない事。
最低限これだけクリアできれば、後は好みや相性になります。無謀な繁殖業者や市場経由も避けられるので、問題の発生率はぐんと減るはずです。
ただし、これらはあなた自身の知識もある程度問われますので、少なくとも、欲しい犬のカラーバリエーションや血統書の見方などは事前に勉強しましょう。特に、後々赤ちゃんを産ませたい、と考えている人はその旨もきちんと伝えて、詳しく教えてもらえるような所が良いと思います。
ちなみに・・・ここまで書いて言うのもなんですが、私がショップに出ていた間、大体1000組のお客様と接したわけですが・・純血種と暮らすパパとママの8割近くが血統書に無関心でした。またブリーダーから入手した人の方が圧倒的に犬種や躾け、血統や遺伝疾患などについても詳しかったです。
更に、これから愛犬に子供を産ませるというお客様の7割がなんと血統書にも、カラーの遺伝にも無関心でした。
もう1つおまけに、ダックスに関してですが、「なんちゃってダックス」どころかこれでよく五体満足に生きているなぁ・・ちゃんと目が見えているのかな・・と心配になるような血統書を(あるんですよ・・・ダブルダップル&クリームとか・・)もってご相談にいらっしゃった方の殆どが大型のショップ、もしくは「ブリーダーから直入」と謳っている少し高めのショップからダックスを入手していた方でした。中には実際に疾患がある子も結構いましたよ。
血統書は健康体の保証ではありません。最低限幾つかの規制はありますが、とりあえず、こんな血統の純血種ですよ、と記しただけの物ですから、一部では遺伝的に矛盾するのもあります。また、交配証明さえ取れば簡単に替え玉登録も出来てしまいます。本当は三匹しか生まれていないのに、同じ時期に生まれた別の子犬をより高く売れそうな血統書に付け足してしまうのも朝飯前です。
勿論、ばれれば当然JKCから処罰は受けますが、まさしく繁殖者の常識・良心に左右される書類でもある為そればかりを妄信するのも問題があるかもしれません。
ですが、反対に、ある程度、きちんとした計画繁殖をしているブリーダーを絞る為にも、必ず血統書は購入前の段階で、確認するようにすれば、乱雑な繁殖業者やそこから犬を仕入れている業者は怯みます。
「むむ・・こいつは出来る」と思うわけです。更に市場から仕入れているショップは大抵即答出来ません。
例え、あなたが実は犬舎名とかラインとかカラーとか知らなくても、取り合えずこの言葉は言ってみる事をお薦めします。自信を持って犬を送り出している繁殖者なら必ず、対応してくれる筈です。
そこまでしなくても・・・と言う方も多いでしょうし、そこまで拘った犬を探しているわけではない、と言う方もいると思いますが、拘らない犬の入手は、乱繁殖を招き、逆に犬を不幸にするのだ、と言う事を忘れないで下さい。
実際に子犬を見た時のチェックポイントは
@肛門周辺が綺麗である事。(下痢などの場合汚れていたり、腫れていたりする事があります)
A耳が綺麗で悪臭がしないこと。耳はなかなか無臭、というわけにはいませんが、汚れが酷く、きつい悪臭がある子はトラブルを抱えている可能性があります。
B元気はあるか?目は澄んでいるか?
C男の子の場合は睾丸がきちんと下りているか?(男の子に多いのが、陰睾です。いわゆる2つのタマがきちんと袋の中に下りてこない状態で、確定的な診断は10ヶ月前後に触診を行います。通常は2ヶ月くらいで確認できますが、中には3ヶ月くらい経ってから確認出来る子など時期的な開きがあります。大方のブリーダーは里子に出す段階で睾丸が確認出来ない場合は、陰睾の可能性有、として幾分価格を下げます。陰睾は精巣腫瘍になる可能性が高く、遺伝が関わっているので、繁殖には用いません。早目に去勢手術をします。ですから、男の子を希望していて、か将来的に繁殖やドックショーへの出陳を希望している人はまずこの睾丸2つを確認するようにしてください。)
D脱毛部分や皮膚の異常がないか?
他にも骨格など幾つかポイントはありますが、素人目にはなかなか分かりづらいので、一応、これだけは最低確認する事をおすすめします。
シェルターや保健所からの引き取り
シェルターや保健所からの引き取りの場合は、去勢・避妊を前提として、絶対に飼育を放棄せず、その子の最期の時まで傍にいてあげる覚悟をしましょう。これは当たり前の事ですが、それが出来ない人間の手によって彼らはそこにいるわけです。決して二度目の苦痛を味あわせてはいけません。
また、保護された犬というのは、多くは心に傷を受けています。室内犬の場合は吠え癖やマーキングなどの元の飼い主が躾けられなかった問題点を抱えている事もあります。健康状態も万全な子ばかりではありません。中にはもう老齢で長くないだろうから、とか病気だから、と捨てたり保健所に持ち込むケースもあります。
繁殖に利用するだけした後で、産めなくなったら捨てる事もあります。
それでも、家族になる為に頑張れる愛情の深さがある方が良いと思います。
多くの保護団体はサイトを立ち上げているので、検索してみましょう。
高額な手数料を要求してきたり、すぐに里親になれてしまう所は止めてくださいね。
真剣に保護に取り組んでいる団体では、必ず新しい里親に厳しいくらいの条件をつけているものです。
小さな子供がいないか、他に犬がいないか、時間的にも金銭的にもにも余裕のあるお家か、躾けはどうか相性は良いだろうか?今度こそこの子を幸せにしてくれる家庭だろうか?と考えます。
それも全て二度とこの子に悲しい思いをさせたくない、と言う真摯な気持ちからきているものですので、引き取り手側も安易な気持ちで名乗り出てはいけません。
さて、次の授業はいよいよ子犬を迎える準備です。
